STORY
東京の外れのワンルームアパートで一人暮らしをするしゃれっけのない女の子、浅田照美25歳。趣味でイラストを描きながら、時給900円の特にやりがいも感じない喫茶店でアルバイトをしながら何となく気楽に生きている。照美は男の影も感じられない風貌だが、付き合って半年になる彼氏・岩瀬吾郎(32)がいる。ある日、岩瀬が照美に言う。『テルちゃんってひらめ顔だよね』。照美はその言葉にキレる。その日から、いたって平凡な照美の生活に少しずつ変化が生じる。岩瀬とは連絡が取れなくなる。少し前までいっしょに働いていた近藤さんが流産してしまったことをバイトの店長から聞かされる。照美はそれまでさんざん近藤さんの悪口を言ってきていた。『ぬりかべみたいなデブ女』とか…。照美は自分が言ったことを思い出す。なんでそんなことを言ってしまったんだろう…。いつもなら何も考えずに描けていたイラストが描けなくなってしまう。なぜかやり切れない思いが胸にこみ上げて来る。行き交う人々はどこか他人行儀、目に入る景色も虚ろ。照美は自分が忘れていたものを思い出そうとする。ここではないどこかの空気を吸いたいと思う。照美は日々の生活の中で消えつつあった場所を思い出そうとする。 照美が訪れた場所は子供の頃家族とよく来た町だった。そこには湖の中に立つ鳥居がある。神秘的な鳥居…。照美は幼い頃、鳥居には神様がいると思っていた。8歳の時、それを確かめるために鳥居まで泳いでいったことがある。でも辿り着いた時知ってしまう。鳥居には神様はいないと…。照美は向こう岸を見つめる。そして自分が元いた場所には帰れないことを悟ってしまう。25歳になった照美はかつて自分が鳥居に抱いていた気持ちを思い出しつつイラストを描き始める。そして、5年ぶりに祖母がいる家を訪ねていく。

ドラマ/コメディ/ヒューマンコメディ


